(天声人語)一生懸命な統計
2019年2月1日 金曜日
統計といえば、味気(あじけ)のない数字が並ぶ印象だ。しかし、こんな楽しいものもある。小学校のみんなに好きな虫を聞いて、絵入りの棒(ぼう)グラフを作る。きょうの朝ごはんは何だったか、70人の子どもと大人に教えてもらう▼
統計情報研究開発センターが昨年、小学生から募(つの)った統計グラフである。コンクールで文部科学大臣賞に選ばれたのは、1カ月間、登校時の荷物の重さをこつこつ量った記録だった。日々スイカ1個分ほどあり、月曜はとくに重い……。資料的価値もありそうな力(りき)作(さく)だ▼
どの作品からも伝わるのは、子どもたちの一生懸命さである。統計をめぐっては厚生労働省の大人たちも一生懸命なようだ。きちんと調べるためでなく、手抜きをごまかすために▼
毎月(まいつき)勤労統計で調べるべき事業所の数を勝手に減らしていた。怠(たい)慢(まん)が外部にばれぬよう、あの手この手を使っていた。そうとしか思えない事実が次々と明(あか)るみに出(で)ている。人手(ひとで)や予算(よさん)が足(た)りないなら改(かい)善策(ぜんさく)を講(こう)ずるべきだが、それも面(めん)倒(どう)くさかったか▼
問題の検証もやるにはやった。外部有識者による聞き取り調査だとしていたが、実際は7割近くを「身(み)内(うち)」の厚労省職員が行っていた。「組織的隠蔽(いんぺい)はなかった」という報告書が、どうも組織的に作られたようなのだ。なかなか念が入っている▼
先のコンクールは小学生のほか中高生からも作品を募り、毎年開いている。社会をはかる物さしの大切さを知ってもらう。そんな啓(けい)発(はつ)活(かつ)動(どう)は、霞(かすみ)が関(せき)の役人たちにこそ必要か。
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